ブコウスキーとチャンドラーの対極的な方法について02 解決編(参考にしたい先行者の作品) 山川健一
言葉によって登場人物の彫りを深くすればするほど、彼らは「お話」を超えて「文学」の世界の住人になっていく──
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「私」物語化計画 2022年12月9日
特別公開:ブコウスキーとチャンドラーの対極的な方法について02 解決編(参考にしたい先行者の作品) 山川健一
チャールズ・ブコウスキーとレイモンド・チャンドラーの比較、リアルと寓話の対比と僕らの対処方法について書く。先週の続きである。
二人の作家のキャラクターの作り方は正反対だが、共通しているのはどちらも登場人物を「言葉」によって作り上げているということだ。
考えてみれば、これは恐るべきことだ。小説家は誰もがそうするわけだが。
言葉によって登場人物の彫りを深くすればするほど、彼らは「お話」を超えて「文学」の世界の住人になっていく。
まずは、二人の作家の言葉をランダムに見ていこう。
【ブコウスキーのアフォリズム】
《失敗ほど効果的なものはないんだよ。》
《あらゆる存在は似ているけれども、同じものはひとつもない。》
──(略)──
【チャンドラーのアフォリズム】
《タフでなければ生きて行けない。優しくなれなければ生きている資格がない。》
《チェスと広告業は、いずれも同じくらい手の込んだ、人間の知性の無駄遣いだ。》
──(略)──
【二人のアフォリズムの根拠】
アフォリズムというのは、短い表現で、人生・社会・文化等に関する見解を表したものだ。警句、箴言と翻訳されている。
ただし、ここで紹介したブコウスキーとチャンドラーの言葉は、小説の中から抜いてきたものである。どちらも箴言を書こうと思っていたわけではない。
さて、両者を並べてみて、あなたはどう感じるだろうか? どちらが好きですか。
ブコウスキーの方は──続きはオンラインサロンでご覧ください)