《「私」キャラクター化ノート》簡易版──種子と夜を巡って 山川健一
自分の作品のキャラクター・メイキングにも、「私」探しの旅のためにも、有効なはずです──
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「私」物語化計画 2022年6月17日
特別公開:《「私」キャラクター化ノート》簡易版──種子と夜を巡って 山川健一
今週は、《「私」キャラクター化ノート》簡易版を発表します。自分の作品のキャラクター・メイキングにも、「私」探しの旅のためにも、有効なはずです。
以下の質問に答える形であなた自身のノートを完成させます。
《「私」キャラクター化ノート》簡易版
【問題提起編】
- あなたにとっての狂気の種子とはどのようなものだったか。
- 狂気の種子を具体的にイメージ化する。
- あなたにとっての「ジェノバの夜」とはどのようなものだったか。今が何度めかの「ジェノバの夜」だとするならば、その具体的な事象とは?
- 今の自分にとって、最も重要な欠落とは何か。
- そいつを埋めるために何と向かい合い、どこへ出発しようとしているのか。
【解決編】
- 少年少女の頃に──(略)──
- 今の「私」を──(略)──
- 今のあなたにとって──(略)──
- 時間軸を遡り──(略)──
- それぞれの時点の自分を──(略)──
──ノート、ここまで──
【解説──種子と夜を巡って】
このノートでいちばん難解というか「よくわからないよ」という声が聞こえてきそうなのは「狂気の種子」だろう。いろいろ言い方を考えてみたのだが、どうしても他の言い方を思いつけなかった。
これは精神医学的な意味での狂気ではない。つまり医学ではなくあくまでも文学的な領域での概念だ。
参考にしてもらうために、「b.とその愛人」という僕の小説の一部分を引用する。
いつだったか、おれは夢を見たことがある。
SF映画に出てくるエイリアンのような獣を、日本の自衛隊が取り囲んでいる。隊員達の機関銃が火を吹く直前、おれは気味の悪いその獣に駆け寄るのだ。そいつを抱きしめ、おれは大声をあげた。
こいつはいい奴なんだ、大切な奴なんだ、だから撃たないでれ、と。
そう叫びながら、おれは号泣する……そういう夢だった。
以来、自分の腹の中に棲んでいるのは、あの夢に登場したエイリアンみたいな獣なのだと思うようになった。》
小説中のこの夢は、実は──続きはオンラインサロンでご覧ください)