特別寄稿 会員さん達からの質問に答える 山川健一
──僕はこれまで周り中の人に迷惑をかけ、頼りまくりながら生きてきた。これからもそのように生き死んでいきたいと思っている。つまり「自立」と反対だ──
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「私」物語化計画 2024年1月26特別寄稿 栗山ラムネさん達からの質問に答える 山川健一日
特別公開:特別寄稿 会員さん達からの質問に答える 山川健一
先日のZoomミーティングには、13人の参加があった。翌日、渋谷のロックバーに早稲田大学のロック講座のメンバーで集まったのだが、こちらは11名の参加だった。
実際に皆さんと話すと、いろいろな質問をいただく。
あるいは和歌山の占い師であるRさんは、深夜の1時間を超える電話で毎回突っ込んだ質問をしてくる。
「山川先生のこの言葉を、僕だけが聞いているのはもったいないので、次回の講義テキストで書いてください。みんな喜ぶと思います」とのこと。
というわけで、今週はカラマーゾフの兄弟をお休みにして、Rさんの質問を中心に、他の皆さんからいただいた質問に答える形で、僕の考えをお伝えしたいと思います。
🔳山川健一は「左」ですか?
Rさんは、占い師と言う職業柄もあり、神社仏閣に通うことが多い。そういう自分は「右」で、それに比べて僕は「左」である、と。こうした政治思想の差異は、師弟関係に決定的な亀裂をもたらすのか、それともあまり問題ではないのか──ということを、どうやら彼はかなり長い間真剣に考えていたらしい。
僕はこんな風に答えた。
そもそも僕が「左」であった事は無い。リベラルな考え方の持ち主ではあると思うが、だからといって「左」だとは言えないだろう。高校生の時に、全共闘のヘルメットをかぶって国際反戦デーや反安保のデモに参加した事はあるが、その一事をとって自分が「左」であるとは考えていない。
ローリング・ストーンズのミック・ジャガーもデモに参加していたが、だからといってストーンズが「左」のグループだとは言えないだろうと思う。同じように、僕がデモに参加したのは、政治と言うよりも、文学的、あるいはロック的な衝動からそうしたのである。
そしてここからが重要な話なのだが、もはや「右」「左」という構図で政治や思想を判断することは不可能ではないだろうか。かつては、東西の冷戦構造があり、推理小説の世界でも、アメリカ合衆国を始めとする西側のエージェントと、ソビエトのスパイが対決するというようなストーリーが多く書かれた。007にしてもそうだ。
しかし今は、左右の対決ではなく、上下の対決こそがクローズアップされている。したがって、推理小説も変わらざるを得ない──(略)──
🔳神を信じるか──空海が言う「現世荘厳」
香咲弥須子さんと『時には神について考える』を出すことについて、「ヤマケンも神を信じるのか?」という質問を、Rさんやその他の方から受けた。
以前の講義でも触れたように、僕には複数の神秘体験があり、世界は目に見えるだけの領域ではないのだな、と理解している。
思うに、これは神あるいは宗教の一歩手前だろう。
しかし、僕はこれまでに特定の宗教を信じたこともないし、一神教を受け入れたこともない。それはこれからも変わらないだろう──続きはオンラインサロンでご覧ください)
山川健一『物語を作る魔法のルール 「私」を物語化して小説を書く方法』