10枚の掌篇小説を書くコツ 05 『痕跡のディスタンス』から『鏡の中のガラスの船』へ 山川健一

──小説を書くということは、物語上の繋がりがある一連のまとまりを発見するということだ──

 

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「私」物語化計画 2023年9月22日

特別公開:10枚の掌篇小説を書くコツ 05 『痕跡のディスタンス』から『鏡の中のガラスの船』へ 山川健一

【習作をシークエンス化する】

プロット以外に「シークエンス」という概念を導入しようということを先週書いた。これは、一つには多くの会員の皆さんがプロット恐怖症みたいな状況に陥っていて、かえって小説が書けなくなっているなと感じたので、その代替案として、シークエンスということを提案してみたのだ。

シークエンスは、「1シーン」という単位の文章を、物語上の繋がりがある一連のまとまりにしたものだ。

映画的に言えばカットが最小単位で、カットの集合がシーンを構成し、さらにはそのシーンの集合がシークエンスとなる。そして複数のシークエンスが繋がりを持った時に、物語が完成する。
だからこそ、まず10枚程度でいいので掌篇小説を書いてみようと僕は言っているわけだ。
シークエンスについては、物語上の「繋がりがある」一連のまとまりというところが大切なのだ。

推薦作の欄に、僕が高校生の時に書いた『痕跡のディスタンス』という掌篇小説をアップした。同じ千葉高校の後輩に藤本修さんや寮美千子さんがおり、文学とは関係ないがパール兄弟のサエキけんぞうさんや、日本共産党の志位和夫氏がいた。

そんな高校時代に書いたほぼ最初の習作が『痕跡のディスタンス』である。そんな初期作品がなぜ残っているのかと言うと、高校時代の習作や散文詩や日記までを収録した初期ノート『ぼくは小さな赤い鶏』を、講談社が刊行してくれたからだ。

同世代の女性編集者の発案で、昔の日記まで本にするようでは俺もおしまいだな──と、思ったものであった──続きはオンラインサロンでご覧ください)

 

山川健一『物語を作る魔法のルール 「私」を物語化して小説を書く方法』

 

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