新規会員の方がやること、物語化計画文庫、その他のことなど

最もスリリングで魅力と秘密に満ちた物語とは「私」なのである──

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「私」物語化計画 2022年7月1日

特別公開:新規会員の方がやること、物語化計画文庫、その他のことなど 山川健一

【新規会員の皆さんへ】

今週からリベラル・アーツ(一般教養)として、宇宙論と量子力学について書こうと思っていたのだが、予定を変更します。

というのは、新規会員のMさんと電話で話していたら「何からやればいいのかさっぱりわからない」と言われたのである。

Mさんは旧い友達で、かつてはバンドのライヴの時にヘアメイクとスタイリストをやってもらっていた。ツンツンヘアーなどにしてもらっていたのだ。

久しぶりに話していた時、僕は言った。

「そういや俺、物語化計画ってのをやってるんだよ。Mも入りな」

「健さんが何かやってるなとは思ってたんだけど、どういうの?」

僕が一通り説明し、まず「ジェノバの夜」に関するレポートを出すんだよと言うと、彼女は言った。

「わあ、それはシビアだねぇ。まあ健さんにはなんでも話してるからいいんだけど、自分を見つめ直すというのはきついなぁ。でも、そうか、いい機会だから参加しようかな」

このところ、Oさん、Kさん、Mさん、Iさん等、新規に参加された方がいて、説明が必要だなと思ったのだ。

これについては、別途、Zoomで無料の講習会を企画しますが、まずここで簡単に述べると──。

 

世界は物語でできている、というのが出発点だ。

世界の神話や英雄物語や民話や現代小説ばかりではなく、今の日本の社会や僕らの日常生活、仕事や恋愛や家族との関係はすべて物語なのだ。

僕らはそれらを、自分の中で物語化することで理解することができる。

つまり、小学生が帰宅して「ママ、今日学校でね──」と話すことが物語化なのだ。物語化できれば、この小学生は自分の体験をずっと覚えていることができるだろう。

そして、最もスリリングで魅力と秘密に満ちた物語とは「私」なのである。

僕らは「私」を物語化することで、いろいろなことをクリアに見ることができるようになる。小説を書くという行為は、その結果でなければならない。上手いか下手かとか、プロになれるかなれないかということ以前に、「小説を書くと自分自身を明瞭に物語化できる」ことが大切なのだ。

小学生が学校での出来事を母親に語って聞かせることで、単なる「出来事」を「物語」に昇華するように、小説という便利な装置(器)を利用して見えない他者に物語を紡ぐことで、僕らは「私」の輪郭をくっきりと描くことができるようになる。

というようなことをこの連載の最初からずっと書き続けてきたのだが、今や相当に長い講義テキストになってしまっているので、これを全部読むのはたいへんだろう。年内には紙の本にするのでそれを読んでもらうこととして、とりあえず新しく入った方はまず以下のことをやってみてください──続きはオンラインサロンでご覧ください)

 

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