リベラル・アーツとしての宇宙論と量子力学 3(最終回)一編の小説はエコーのようなものとして、宇宙の全体に残りつづける 山川健一
僕らは、まったく新しいコスモロジーが誕生する直前の時代を生きているのかもしれない──
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「私」物語化計画 2022年7月29日
特別公開:リベラル・アーツとしての宇宙論と量子力学 3(最終回)一編の小説はエコーのようなものとして、宇宙の全体に残りつづける 山川健一
【ビッグバン理論だけが唯一のコスモロジーではない】
ペンギンに宇宙人の可能性が浮上している、という話をご存知だろうか。
2021年9月に報じられたニュースによると、イギリスの研究でペンギンの糞から金星の大気中にある化学物質と同じものが発見された。
この物質はホスフィンというのだが、ホスフィンが金星から3800万マイル(約6100万キロメートル)も離れた地球に存在する理由については説明できないのである。研究者達は英フォークランド諸島に棲息するジェンツーペンギンがこの物質を生み出す理由について、彼らの生活スタイルから今後研究を進めていくという。
ロンドンのインペリアル・カレッジのデイヴ・クレメンツ博士はこう言っている。
「ホスフィンの発見が本当であることを確信しています。しかしその制作過程が分かりません」
これだけをもってペンギンが金星からやって来たと断定はできないが、夢のある話だ。
http://a.msn.com/07/ja-jp/AAOr4m9?ocid=st
ペンギンだけではなく、原初の地球に生命が誕生したのは、隕石が生命の材料である有機物を運んできたからだという科学者もいる。38~40億年前の地質から最古の生命活動の痕跡が発見されているが、なぜその頃生命が誕生したか、正確なことはわかっていない。
大量の隕石が地球に降り注ぎ、その隕石に含まれる有機物が生命の材料になったという説がある。
生命の起源は、宇宙にあり、だから人間は星空を見上げると癒されるのかもしれない。
その宇宙は、ビッグバンによって出来たとされている。しかしこのビッグバン理論が、量子力学の実験結果とつじつまが合わなくなってきている。
ビッグバン理論も、コペルニクスが地動説を唱えるまでおよそ1500年にわたってヨーロッパで認定されていたプトレマイオスの宇宙原理や、仏教や道教の宇宙観と同じように、歴史的なコスモロジーの一つにすぎないのである。
やがて誰かがこれを訂正することになるのだ。
既に今でも、もちろんまだ仮説にすぎないがメタ宇宙、すなわちメタヴァースが存在すると主張する科学者もいる。メタヴァースは無からビッグバンによって生まれたわけではなく、最後のブラックホールが崩壊して僕らの宇宙が消滅した後も存在しつづける。
ビッグバンと呼ばれるものは、無から生じたわけではなく、既に存在していたメタヴァースの子宮の中で起こったのである──。
どうやら、ビッグバン理論だけが唯一のコスモロジーではないようだ。
仏教や道教や古神道のコスモロジーもあるし、ナバホ・インディアンや砂漠の民やマヤ文明のコスモロジーもある。それらすべてのコスモロジーが今も有効なのだろう──続きはオンラインサロンでご覧ください)