「私」分割式キャラクターメイキングの方法 3 あなた自身をトム・ソーヤーとハックルベリーと「それ以外」の三つに分割する  山川健一

自分の少年時代を思い出し、トムやハック的な部分をピックアップしていく──

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「私」物語化計画 2022年5月20日

特別公開:「私」分割式キャラクターメイキングの方法 3 あなた自身をトム・ソーヤーとハックルベリーと「それ以外」の三つに分割する 山川健一

【少年や少女だった頃の自分を三つに分ける】

狂気の種子をイメージ化して「私」から分離し、あなた自身を「男」と「女」と「それ以外」の三つに分割する──というところまで書いた。

実現できてますか?

とても難しいと思うが、必要なことだ。

今週はもう少し簡単な方法のレッスンをします。

子供や少年少女の頃に戻って「私」を観察する。観察というか、少年や少女だった頃の自分を三つに分けることでキャラクターを作るのである。

参考にするのは『トム・ソーヤーの冒険』と『ハックルベリー・フィンの冒険』である。著者はどちらもアメリカ合衆国のマーク・トウェインだ。『トム・ソーヤーの冒険』は1876年に発表されたのだが、ドストエフスキーの『罪と罰』が1866年なので、10年しか違わない。

トムもハックも児童文学の領域を越え、アメリカ文学史にとって重要な作品になった。

 

【優等生のトムと宿無しハック】

最初に書かれた『トム・ソーヤーの冒険』の主人公はトマス・ソーヤー少年で、通称はトムだ。親友がハックルベリー・フィンで、通称はハックである。

トムとハックはミシシッピ川のほとりの自然豊かな小さな町に住んでいる。

トム・ソーヤーは10歳ぐらいで、日本だと小5である。優等生の弟シドといっしょに、亡くなった母の姉である伯母のポリーに引き取られ暮らしている。トムは勉強嫌いで、学校や家の手伝いをサボってばかりいて、ポリー伯母さんに叱られてばかりだ。

しかしハックルベリー・フィンはもっと悪い。彼は読み書きができず、町外れでホームレスのように暮らしており、宿無しハックと呼ばれている。

トムのクラスメートにはベッキー・サッチャーという女の子がいて、彼女の父親は地方判事である。典型的なお嬢様キャラだが、トムとハックはなんとか彼女の気を引こうとしている。トムは筏で海賊ごっこをやったり、洞窟探検をしたり、ハックといっしょに遊びまくっている。

そんなある日トムはハックと共に、真夜中の墓地で殺人事件を目撃してしまう。犯人のインジャン・ジョーは、前後不覚に酔っ払っていた男――マフ・ポッター老人に罪を着せるが、裁判の場でトムは真実を話し、ジョーは逃走する──続きはオンラインサロンでご覧ください)

 

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