特別公開:クリスマスにファンタジー小説を読む 山川健一
ほっと温かい気持ちになれる『「私」物語化計画』がらみのファンタジーを紹介します──
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「私」物語化計画 2020年12月25日
特別公開:クリスマスにファンタジー小説を読む 山川健一
メリークリスマス!
僕は今年最後の原稿をイヴに書いていて、サンタクロースがプレゼントを配る頃、それが配信される予定だ。
聖なる夜だが、新型コロナウイルスの感染拡大が止まらないという異常な状況下でのクリスマスである。
安倍晋三元首相の不起訴処分が決まり、菅義偉内閣はほぼ機能不全に陥り、国民にメッセージを発信し続けているのは医師会をはじめとしたお医者さんだけ。
医療が風前の灯火だとして、医療に関係する団体のトップらが21日午後、異例の合同会見に臨み「医療緊急事態宣言」を出したのだ。
さらにイギリス発の変異ウイルスがヨーロッパで猛威をふるっている。そいつが日本に入って来たらアウトだ。いや、政府がもたもたしてるうちに日本でもウイルスは変異しているかもしれない。
そうなると子供が危ない。
変異ウイルスは子供達や若い人々にも感染し重篤化をもたらすのだそうだ。
小池都知事が、医療従事者に感謝の手紙を送るよう小中高学校に要請した。これは悪趣味なカルタを超えており、僕はさすがに我慢出来ない。
感謝とは要請するものではない。子供に手紙を書かせるなんて言語道断だし、それをもらった医療従事者も困惑するだろう。
思えば、今年の春に緊急事態宣言が出て、3月2日から全国一律に小中学校の一斉休校が実施された。東京都だけではなく、全国の子供達が学校に行けなかった。
さらに「兵隊さんがんばってください」みたいな手紙を書くことを都知事に強いられ、イギリス発の変異ウイルスが入ってくれば命の危険にさらされる。
オリンピックを強行したら、必ず日本の子供達の生命が脅かされる。
日本の子供達が、あまりにも可哀想だ。
子供の命を守るのは大人の責任である。
GoToの無期限中止、オリンピックの中止を早く決定し、それを前提に飲食店や医療関係者などを対象にピンポイントで補償を厚くする。全国民への給付金の支払いを定期的に行う。東京都や大阪府をロックダウンし、入国管理を厳格化し、コロナの根絶を目指す。経済再生のロードマップはその後に構築する。
これ以外に子供達を守る方法はない。
予算?
来年度予算では、新型コロナ対応は予備費5兆円でという財務省の説明。
今年度、予備費が7兆円が残っていても「予期せぬ状況に備える」というのでは、医療機関の減収補填にも、事業者への直接支援にも、第3波への対応にも使われない。
ちゃんと何に使うかを本予算に盛り込むべき。
政府はカネをため込んでいる。7兆円を早く使えよ!
そしてなによりも、権力を保持している首相が国民に心のこもったメッセージを発し続けることが大切だろう。
ほんと、最悪のクリスマスである。
【楠章子さんの『へんくつさんのお茶会-おいしい山のパン屋さんの物語』】
そういうわけで、僕は皆さんと同じように危機感の中を生きているわけだが、今年は、前に書いたようなクリスマス短編を書く精神的余裕もなかった。
それで、ほっと温かい気持ちになれる『「私」物語化計画』がらみのファンタジーを紹介します。
まず、楠章子さんの『へんくつさんのお茶会-おいしい山のパン屋さんの物語』(ジュニア文学館)
井田千秋(イラスト)/楠章子(著)『へんくつさんのお茶会-おいしい山のパン屋さんの物語』(学研プラス)
(略)
【宮下恵茉さんの『精霊人、はじめました!』】
小学5年生の主人公、柳田一は、地味でさえない少年だ。クラスメイトからも名前を間違われるほど目立たない存在である。ただ、イジメにあっているとか、そういうことはない。むしろ飄々としている。
友達は幼馴染みの女の子、きらりだけだが、彼女も学校ではよそよそしい。女子というのはそういうものらしい。
ある日──
(略)
【大田垣晴子さんの『徒然絵つづり 百人一首』】
この本は、僕が編集長をつとめる藝術学舎発行で、発売は幻冬舎だ。つまり自社製品だ。
大田垣さんのイラストによる百人一首のカルタで、現代語訳をつけて頂き、歌の作者の簡単な紹介も付けて頂いた。
(略)
来年は、最近『おむすびころりん はっけよい!』で絵本作家デビューしたばかりの森くま堂さんの新作『ちこくのりゆう』が刊行される予定で、Amazonでは予約が開始されてます。非常に楽しみです。
森くま堂(著)/北村裕花(イラスト)『ちこくのりゆう』(童心社)
(略)
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