新年のご挨拶──多摩川に棲む金色のナマズ 山川健一
──あのナマズは、と僕は考えていた。僕らが書こうとしている小説みたいなものなのではないか、と──
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2025年1月10日
特別公開:新年のご挨拶──多摩川に棲む金色のナマズ 山川健一
【快進撃!】
新年あけましておめでとうございます。今年初めての原稿だ。年末から年始にかけて、会員の皆さんの長編小説を読むことに時間を費やし、自分の文章は1行も書かなかった。
まぁ、その分ゆっくりさせてもらったわけだ。
僕にとっては言葉を書き記すことが仕事なので、ゆっくりするというのは、原稿を書かないということに尽きる。従って、FacebookやXにも何も書いていない。年始の挨拶すら書かなかったことで、会員の方から電話やLINEのメッセージが届く。
「大丈夫ですか? 元気がないのですか?」といった具合だ。
ゆっくりさせていただいたので、エネルギーが充電され、今は心身ともに元気いっぱいだ。
原稿は書かなかったけれども、会員の皆さんの小説は読み、アドバイスを行ったりした。これも実は、僕のエネルギー補給に大いに役立った。
まだ詳細は明かせないのだが、メジャーな出版社での刊行がほぼ決まった作品。
ご本人にはまだ伝えていないのだが、僕が密かに出版社にプレゼンしようと考えている大型新人の長編。
かつて多くの小説を出版し、だがしばらく文学シーンから離れていた作家の再デビュー作品。
既に前回の新人賞で良いところまで行き、今回チャレンジする長編。
物語化計画は、今年は凄いことになりそうだ。
電子書籍とKindleのオンデマンド出版、書店売りの単行本がシームレスに繋がっている出版の新しい形がようやく実現されつつある。
皆さんの作品を読んでいると、襟を正すというか、俺も負けられないよなと本気で思う。ここ10日ほどは、前述したように1行も原稿を書いていないのだが、まぁ、これからだ。
総枚数で、1000枚近くの小説原稿を読み、それらはどれも非常にクオリティの高い原稿なのだが、改善しなければならない点はある。
つまり、小言を言いたくなる。
正月早々、具体的に改善点を指摘するのはめでたくないので、それは来週以降、順番に書くことにする。
タイトルの付け方が甘いとか、プロットがプロットの体を成していないとか、そもそも推敲できていないとか、最初から最後まで構成がきっちり来すぎていて息苦しいとか、そういうことだ。
これは個人の特定の原稿に当てはまるばかりではなく、小説というものを書こうとする時、多くの人が注意しなければならない点なのだ。それを、来週から「プロットの書き方教えます」という連載タイトルで指摘したいと思っている。
だが何しろまだ正月なので、今回は書かない。身に覚えがある人は、首を洗って待っていて下さい(笑。
【金色に輝く神の使い】
言葉を書き記すこともなく、会員の皆さんの原稿を読むだけで、他に何もしていなかったのかと言うとそうではない。
例えば、昨日は二子玉川に釣りに行った。ナマズとシーバス狙いである。ルアー釣りだ。正確にいうと僕は2人の中学生の付き添いである────続きはオンラインサロンでご覧ください)
山川健一/今井昭彦/葦沢かもめ
『AIとの対話で物語のアイデアが広がる
小説を書く人のAI活用術』
(インプレス)