特別公開:基礎的な文法の話──多くの文章は、接続詞の不在もしくは過剰によって停滞する 山川健一

「今週は接続詞に関するアドバイスを書きます。どれが接続詞でどれが副詞なのか、あるいはそもそも、接続詞を品詞の一つとして独立させていいものなのだろうか──というような話だ。

文法の話など退屈だろうから、なるべく手短にすませるつもりだった。だが前回の助詞音痴の話が予想外に好評だったので、当初の予定よりも少し詳しく文法のレクチャーをしたいと思う。これが単行本等とは違い、インタラクティブなオンライン講座のいいところだよね。」


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「私」物語化計画 2019年12月6日

特別公開:基礎的な文法の話──多くの文章は、接続詞の不在もしくは過剰によって停滞する 山川健一

今週は接続詞に関するアドバイスを書きます。どれが接続詞でどれが副詞なのか、あるいはそもそも、接続詞を品詞の一つとして独立させていいものなのだろうか──というような話だ。

文法の話など退屈だろうから、なるべく手短にすませるつもりだった。だが前回の助詞音痴の話が予想外に好評だったので、当初の予定よりも少し詳しく文法のレクチャーをしたいと思う。これが単行本等とは違い、インタラクティブなオンライン講座のいいところだよね。

それでは、品詞の話からしよう。

品詞とは何か?

単語を文法上の性質によって分類したものだ。動詞や名詞はすぐに思いつくだろう。先週扱った助詞も品詞の1つである。

 

品詞の解説の前に、中学か高校で習ったはずの用言と体言って覚えてますか?

 

用言は、それだけで述語になる単語で、動詞・形容詞・形容動詞のことを指す。体言は「が」「は」などをつけて主語になれる単語で、名詞のことだ。

体言止めというのは「いづこも同じ秋の夕暮れ」のように、名詞で終わる文章のことで、突き放した寂しさを感じさせるのに適している。

ただし皆さんは小説の中で体言止めはなるべく使わないようにして下さい。雑誌のキャプションみたいになってしまいます。

それから同じ言葉でも、使い方によって品詞が変わる場合がある。ま、この話は無視してもらって構いません。

 

さて、日本語にはいくつの品詞があるだろうか。思いつくだけあげてみてから、続きを読んで下さい。

では、品詞の種類を見ていこう。

【日本語の品詞の一覧】
(1)動詞
動詞は、物事の動作・作用・存在などをあらわす語です。自立語で活用がある用言で、言い切りの形が「う」段で終わるという特徴がある。

・思い出を語る。
・ルビコン川を渡る。

(2)形容詞
形容詞──までは簡単だよね? 形容詞は単語の性質や状態などの意味を説明する。自立語で活用がある用言で、言い切りの形が「い」で終わるという特徴がある。

・面白い物語。
・赤いポルシェ。

(3)形容動詞
形容動詞はちょっとややこしいが、物事の性質や状態を説明します。自立語で活用がある用言で、言い切りの形が「だ」で終わるという特徴があります。

・夕焼けがきれいだ。
・とても静かだ。

(4)名詞
名詞は、いろいろなものの名称。体言ともいう──のは前述した通りだ。自立語で活用がなく単独で主語になることが出来る。

・地球。
・空。

(5)副詞
副詞は、主に用言を修飾して意味をくわしく説明する。自立語で活用がなく、主に連用修飾語になります。

・ゆっくり歩く。
・大きく動く。

(6)連体詞
連体詞は、体言を修飾して意味をくわしく説明する。自立語で活用がなく、主に連体修飾語になる。

・あの男を見てください。
・大きな木。

(7)接続詞
接続詞は、前後の語や文をつなぐ働きを持っている。自立語で活用がなく、単独で接続語になる。この接続詞がとても重要で、後で詳しく説明します。

「それで」「だから」「しかし」「だが」「また」「そして」「それとも」「または」「つまり」「なぜなら」「ところで」「さて」

(8)感動詞
感動詞は感動・呼びかけ・応答などをあらわす。自立語で活用がない体言で、普通は文頭にある。

・あら。
・ああ。
・こんにちは。

(9)助詞
助詞は、語に意味を添えたり、語の関係を示す語だ。付属語で活用がなく、それだけでは文節を作ることができない。先週詳しくやりましたね。

「を」「に」「が」「は」「と」「ても」「は」「も」「こそ」

(10)助動詞
助動詞には、用言・体言などに付属して意味をそえる働きがある。付属語で活用がある。

「れる」「られる」「せる」「させる」「ない」「そうだ」「らしい」「です」

以上が10個の品詞だ。

覚える必要はまったくありません。文章を書いていて疑問に思ったら、僕が書いた上の表を参照して下さい。
【接続詞の不在もしくは過剰】

ここからは正確な文法のことではなく、文法的な話を書く。「助詞音痴」に続く話題で、「接続詞音痴」の話である。

多くの文章は、接続詞の不在もしくは過剰によって停滞してしまう──という話だ。

ご存知のように、接続詞は…..,(特別公開はここまで、続きはオンラインサロンでご覧ください)

 

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