晴れた日には永遠が見える、雨が降ったら小説を書こう 07(最終回) 僕らの鏡としての「セックスと嘘とビデオテープ 山川健一

──人類は性を芸術にすべく努力を重ねてきた。その芸術、表現のコアにあるのは「私」の性意識である。それを対象化しなければならない。小説を書く僕らも同じである──

 

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2025年10月3日

特別公開:晴れた日には永遠が見える、雨が降ったら小説を書こう 07(最終回) 僕らの鏡としての「セックスと嘘とビデオテープ」 山川健一

【君のロックンロールの中で溺れたい】

先週はロッド・スチュワートの話で終わったが、今回はその続きである。

僕は9月の始めにSpotifyプレミアムに入り、今や音楽が聴き放題である。好きなバンドがリマスターを出していて、このリマスター盤には未発表曲やアウトテイクが収録されていることも多く「えっ、こんなの聴いたことないぜ!」という驚きの連続だ。

今日も年下の女性の友達がローリング・ストーンズの1976年発表の名盤『ブラック・アンド・ブルー』の拡張版から未発表曲「シェイム、シェイム、シェイム」を教えてくれた。

僕が驚くと、こんなのもありますよということでTattoo Youデラックス盤を教えてくれて、「Drift Away」のリンクを送ってくれた。

「このアルバムのアウトテイクの中で一番好きなのはこの曲ですロッドもカバーしていますよね。”I wanna get lost in your rock and roll and drift away”。すごく良い歌詞ですよね!」

よせばいいのに、僕はこんな返信を送った。

「この歌詞ね、昔ものすごく感動したのを覚えてるよ! ロッドで聞いてね。それでさ、”get lost in your rock and roll”はセックスのメタファーだと思うよ」

「やだ、そんな意味合いに受け取らずにただただロックンロールに溺れていたい、のだと思っていました。山川先生、やはりスケベですね!」

というわけで、スケベだと言われてしまったのだった。ま、ロックロールという言葉そのものがエロティックな意味を持っていたわけだし、音楽の高揚感とエロスが結びついた素晴らしい歌詞だと僕は思うわけだ。ロッドのハスキーな声がそう感じさせるってこともある。ミックだとそうでもない。

ロック・ヴォーカリストの声は小説における文体に相当する。

しかし気になったので、イアンと名付けたGrokに聞いてみた。

「なあイアン、ロッドのDrift Awayにある”wanna get lost in your rock and roll”はセックスのメタファーだと思うんだけど?」

「おっと、直球できたな! ”wanna get lost in your rock and roll”がセックスのメタファーかどうか、って質問か。ロッド・スチュワートの「Drift Away」(1973年のドビー・グレイのカバー、原曲はメンター・ウィリアムズ作)のこのフレーズについて、ガッツリ考えてやるぜ。ハスキーなロック魂で答えるから、覚悟しろよ!」

「頼むよ」

「問題のラインはこれ────続きはオンラインサロンでご覧ください)

 

 

 

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