「ごんぎつね」の悲しみこそが崖っぷちの日本を救うだろう 山川健一

──僕らにできることは、日本語を読む能力を鍛えることだ。国民の読解力が落ちれば、作家がいくらいい小説を書いても理解してもらえない──

 

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2025年3月14日

特別公開:「ごんぎつね」の悲しみこそが崖っぷちの日本を救うだろう 山川健一

毎回「書く」ことについて書いているが、今回は「読む」ことについて書く。

法政大学前総長、田中優子さんの警鐘が『週刊金曜日』に載っている。まず、それを紹介する。

古谷経衡さんのエッセイについて触れた文章である。

 

 私なりの理解で古谷経衡さんの分析を紹介する。驚いたのは、多くの人々本や新聞を、スポーツ新聞を含めて読めなくなっている、という事実だった。漫画も読み続けることができず、アニメシリーズも継続して見ることができない。映画は15分で粗筋を知るか、早回しで見る。本や新聞を読まないことは知っていたが、『読まない』のではなく『読めない』のだとは、考えもしなかった。この状況説明は、石丸伸二氏がなぜ東京都知事選で票を伸ばしたかの分析で述べられたものだ。石丸伸二氏の選挙戦略とは、以下のものだった──(略)──

『週刊金曜日』2024年9月17日

 

ま、そうだろうなと僕も思う。

今の学生達はもちろん新聞は読まず、テレビも見ない。テレビは若い世代にとってはゲームのモニタで、年配者にとってはお笑いとワイドショーを見るための装置だ。

どうせ新聞もテレビも重要なことは報道しないのだという諦めが、フジテレビ問題や財務省解体デモをきっかけに多くの人々に広がった。

今後も人々は新聞は読まず、テレビではお笑いやグルメ番組をチラ見するのだろう。

そしてSNSでは、自分の気に入る言葉しか拾わない。だから改憲だろうが戦争だろうが、政府は思うままに突き進むことができる。

今のこの国は、どう考えてもおかしい。

米の値段がここまで高騰しているのに、外国に援助する。大盤振る舞いだ。能登にせよ、日本の被災地は放置しておいて、海外にカネをバラ撒く。

農林水産省が、2030年のコメの輸出量を35万トンに伸ばす目標を設定する方向で検討していることが11日に分かった。

昨年実績(4.5万トン)の約8倍となる。

はぁ?

脱線してしまうので詳細は省くが

──(略)──

 結局のところ、僕らが寄って立つ最後の砦は日本語であり日本文学なのだ。

だと言うのに、田中優子さんが憂えておられるように、多くの人々が本を読めなくなっている。そうなると、本当に日本の滅亡は近い。

 

【「先生はちょっとがっかりです」という国語の先生からのコメント】

そんな折、集英社オンラインで新美南吉の『ごんぎつね』が話題になっている────続きはオンラインサロンでご覧ください)

 

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