「嵐からの隠れ家」としての僕らの小説 山川健一

──だがそれでも、そいつは僕らの魂の結晶なのだ。小さな美しい結晶が、時に僕らを守ってくれる──

 

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2025年3月7日

特別公開:「嵐からの隠れ家」としての僕らの小説 山川健一

【若いカップルに子供を作る余裕などない】

トランプが大統領になってから、多くの場面で多くのことがゴタゴタしている。ホワイトハウスにおけるゼレンスキーとの口論などは前代未聞である。

トランプ問題だけではなく、世界は混乱している。戦争が継続し、飢餓が蔓延し、ヨーロッパ諸国とアメリカが袂を分ちそうだ。

NATOが正面からロシアに対抗しようとしており、フランスの核がドイツに配備されるとの報道もあった。第三次世界大戦が身近に迫っているような危機感を覚える。

日本も大変なことになっている。

フジテレビを始めとするテレビ局の倫理観のなさに僕らは唖然としている。この国にまともなメディアは存在しなかったのだ。

財務省解体デモが拡大しているが、そこで語られる人々のメッセージはほぼ悲鳴に近い。このままでは我々は生きていくことができない、という悲痛な思いが伝わってくる。

──(略)──

 この頃僕はよくスーパーマーケットに買い物に行くのだが、米の価格が暴騰している。野菜も高い。パンもパスタもカップ麺も、食料品がとにかく高い。このまま食料品の値上がりが進めば、冗談ではなく、飢えて死ぬ人が出そうである。

日本政府は、減反政策で、農村の人々に耕作地を放棄するよう仕向け、食料自給率を急速に悪化させた。お前はどこの国の政府だよと文句の一つも言いたくなる。

軍事費を増強したところで、海外からの食料が入って来なければ、日本国民はたちどころに飢えてしまうのである。ま、最大の国防とは食料の自給だと僕などは思うのだが、思うばかりで何をするわけでもない。

そんな日本の行く末に、少子化が止めを刺す。イーロン・マスクは昨年の日本の出生率の記録的な低さを見て「日本はやがて消失するだろう」とXに投稿した。まったくだ。出生率は、今年はさらに悪化した。

物価が高騰し、税金はまったく下げられる気配もなく、日本人は今や貧しさに喘いでいる。若いカップルに子供を作る余裕などない。

どうすりゃいいんだ?

べらぼうめ!

絶望と無気力の沼に、僕らは沈んでいく。

 

【僕らの作品こそが、僕ら自身のシェルター】

そんな大変な毎日を送りながら、それでも僕らは小説を書いている。

なんでだ?

それはおそらく、僕らがたった今書いているこの作品こそが────続きはオンラインサロンでご覧ください)

 

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