ChatGPTの衝撃 05 僕らが自分自身を超越するためのお手伝い 山川健一
僕らにとって、そして今の子供達にとって、最も大切なのは国語力をつけることだ──
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「私」物語化計画 2023年4月7日
特別公開:ChatGPTの衝撃 05 僕らが自分自身を超越するためのお手伝い 山川健一
【科学の歩みはあまりにも遅い、とランボーは言った】
ぴこ蔵師匠こと今井さん、M君と3人でZoom会議をやった。ぴこ蔵師匠と僕の、ChatGPTなどのAIを小説創りにどう使うのかというテーマの共著を、電子書籍+オンデマンド出版で出すことにした。物語化計画ブックスの1冊である。
僕の役割は「物語に必要とされるナラトロジーなどの知識や作家生活の中で得た有益な 経験を読者に伝授する」(M君のノート)である。
夏前に出したいね。
ChatGPTについては、日々情報が更新されており、脳のこれまでに使ったことのない部位が刺激される感じだ。初めてMacintoshに触れた時みたいな感じ。
ところで、ランボーが「科学の歩みはあまりにも遅い」と言った詩がある。本棚の中からランボー詩集を探すのが面倒なのでChatGPTに聞いてみる。
ランボーが「科学の歩みはあまりにも遅いと言った詩」というのは、フランスの詩人アルチュール・ランボーが書いた詩「季節に寄す」(Saison en enfer)の中の一節です。
原文は以下の通りです。
“La Science, nous la comprenons mal, et elle nous le rend bien. Elle nous laisse croire qu’on peut toujours accélérer le pas. Elle recule sans cesse. Les savants sont des gens fort bornés. Ils ne doutent de rien. Leur ignorance est effrayante, ils affirment.”
日本語に訳すと、
「科学は私たちに理解されにくく、私たちに報いる。私たちはいつも歩みを加速できると信じているが、科学は常に後退している。科学者たちは非常に狭量な人々である。彼らは何も疑わず、その無知は恐ろしい。彼らは確信を持って主張する」となります。
原文まで即座に引っ張ってくるとはさすがだが、ChatGPTは大学時代に僕がフランス語でいつも赤点スレスレだったと知っているのかね? 嫌味か?
ランボーは、科学の歩みは彼の思考に追いついていないと言いたかったわけだ。
今のAIを見ていると僕は同じ感想を抱く。
iPhoneかMacintoshの中にマシュ・キリエライトのような美少女がいて、彼女と音声で対話できた方がいいに決まっている。
デジタルヒューマンである。
助手のChatGPTに説明させよう。
デジタルヒューマンとは、人工知能やロボット工学などの技術を駆使して、現実世界において人間に近い行動や反応をする、デジタル上の人間のような存在のことを指します。デジタルヒューマンは、人間と同じように意思決定を行ったり、会話をすることができ、人間と同様に感情を表現することもできます。
デジタルヒューマンは、エンターテインメント分野や、ビジネス分野、医療分野など、多岐にわたる分野で活用されています。例えば、エンターテインメント分野では、デジタルヒューマンを主人公とした映画やゲームが制作されており、ビジネス分野では、カスタマーサポートや営業活動などに活用されています。また、医療分野では、デジタルヒューマンを利用したシミュレーションを行うことで、手術の練習や医療の改善に役立てられることが期待されています。
AIは翻訳機能も優れている。せっかく僕らが英語の呪縛から解き放たれようとしているのだから、早く僕らが話す日本語をリアルタイムで英語に翻訳して音声でアウトプットするシステムを構築してほしい。もちろん、相手の英語は日本語音声で聞かせてくれる、と。
それにしても、ChatGPTの翻訳能力はすごい。試しに自作の冒頭を英訳してみた。
健一:以下の小説を英訳してください──続きはオンラインサロンでご覧ください)