特別公開:会員の方への緊急タイプ別アドバイス 山川健一
悪魔と天使を合わせ持つ美しい存在、それが少女なのであり、少女の存在が小説の可能性を大きく広げたことに間違いはない──
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「私」物語化計画 2021年2月26日
特別公開:会員の方への緊急タイプ別アドバイス 山川健一
ゲーテの『ファウスト』を紹介し、いよいよドストエフスキーの『罪と罰』に挑むわけだが、その前に会員の皆様に緊急のアドバイスを行いたい。実践コースの会員の方が増えたりして、まとまった数の小説を読み、気がついたことをなるべく早く伝えておきたいからだ。
長くなりすぎないよう、簡潔に行きます。
【神秘と偶然をどう扱うか】
重要な指摘がまず2つある。1つは日常生活を逸脱する神秘体験をどう扱うのかということ。
悪魔が登場する小説を書いた方、不可思議な領域に閉じ込められて育つ子供達を描いた方(『約束のネバーランド』みたいな)、実は主人公は人工生命だったという小説、色々あります。
あるいは、希有な偶然がストーリーを進める力になる作品もあります。
ある種の偶然も、目に見えない霊と遭遇したり、宗教的な啓示を受け取ったりする場合も、「日常生活ではちょっとあり得ない」という点では同じです。
大事なことは2つ。
1つは──(中略)
【300枚以上書ける人はプレミスを起こせ】
小説を書くのは水泳を学ぶのと似ている。最初は5メーター位しか泳げない、やがて10メーター泳げるようになり、最終的には体力の続く限り泳げるようになる。
5枚(400字詰め原稿用紙換算)ならきちんと描写を交えて書ける。
10枚でストーリーが書ける。
30枚で短編が書ける。
そしていよいよ、300枚の作品を書けるようになった──という具合に成長していく。
300枚以上書けるようになった人へのアドバイスだが、多くの方が──(中略)
【300枚に到達しない人】
ここで言う300枚と言うのは、ある種の比喩で、100枚で作品が完成するのなら100枚でもいい。
とにかく、部品は上手に書けるのになかなかそれが完成しない人が多い。しかし、自分を責める必要はない。部品が上手に書けるということは、描写やレトリックは身についているということだ。
しかし、全体としての作品が完成しない。
自分では「時間がないからサボってしまって」と思っているだろうが、実は──(中略)
【エッセイ、旅行記、BLなど他のジャンルからの越境を志す人達】
物語化計画には、既に何冊もの書籍を刊行されている方が多い。ダイエットの本、ルポルタージュ、絵本、旅行記、BL、コーチング等の本を出して評価されている人が何人もいらっしゃる。
そろそろ小説を書きたいということで入会され、しかし今の仕事が忙しくてなかなか書けない──というパターンである。忙しい? それはそうだろうが、しかし小説を書きたいと一度は決意したのだから、忙しいのは理由になりません。
あなたに足りないのは───続きはオンラインサロンでご覧ください)