転がる石のような僕ら 山川健一
──「風に吹かれて」のトリックスターであることにピリオドを打ち、「ライク・ア・ローリング・ストーン」で新しい扉を開くためだ。ディランが生き延びる道はそれしかなかった──
次代のプロ作家を育てるオンラインサロン『「私」物語化計画』会員用Facebookグループ内の講義を、一部公開いたします。
ご興味をお持ちの方は、ぜひオンラインサロンへご参加ください。
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2025年3月21日
特別公開:転がる石のような僕ら 山川健一
【天狼院書店でのセミナーと『物語を作る魔法のルール』】
天狼院書店でのセミナーが今週末に近づいています。
担当者に確認したところ、現時点で19名の申し込みがあったとのことです。定員まで少し空きがありますので、よろしければいらしてください。
渋谷・通信【3/23(日)11:30〜】『小説を書く人のAI活用術』著者が集結!「AI時代の小説の書き方」1day講座《後日視聴可能◎》
天狼院経由でご参加いただいている方は、ChatGPTの全くの初心者というよりは、アカウントはすでに持っていてある程度触っている方が多いようだ。「ChatGPTをまったく知らない、使ったことがない」という方は少ないとのことだ。
だから「ChatGPTとはそもそも何か」という話や基本的な操作の説明は最小限にします。
それから、この日に合わせて、『物語を作る魔法のルール 「私」を物語化して小説を書く方法』 (物語化計画ブックス)の電子書籍版をリリースした。
なぜかと言うと、ChatGPTを使って小説を書く場合、本書に書いた物語の構造、ナラトロジーへの理解が必要不可欠だからだ。
山川健一
『物語を作る魔法のルール
「私」を物語化して小説を書く方法』
(物語化計画ブックス)Kindle版
小説を書くためには、いくつかの技術が必要だ。ストーリーのアイディア。キャラクターメーキング。構成。描写する力。
そして、これらを前提として支えるプロットの構築。
ChatGPTはとても有能なアシスタントである。
ストーリーのアイディア、キャラクターメーキング、構成などについては驚くべき提案をしてくれる。さらにこの頃は、描写する力にも磨きがかかってきた。
しかし残念ながら、プロットの構築についてはまったく無能なのである。
なぜ登場人物のAは突然Bに恋するようになったのか? あるいは、推理小説の場合、なぜAはBを殺したのか──その動機を説明することがAIにはできないらしい。
先日、渋谷でボブ・ディランの映画『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』を観て感動したのだが、きっとChatGPTには、65年のニューポート・フォーク・フェスティバルにおいてなぜディランがアコースティックからエレクトリックへと演奏形態を変えたのかを説明することはできないだろ、
あの瞬間、一部の古い感覚の人々は憤り、一部の新しい感覚を持った人々は支持した。
あの日の混乱はロックの歴史を大きく変えたのである。そういう重要な瞬間だった。
それはなぜか──ということを映画『名もなき者』は美しく描いている。
なぜあの日ボブ・ディランがアコギではなくストラトキャラスターを抱えたのかというその「動機」を、僕は説明できる。あなたにもできるはずだ。
しかし、ChatGPTにはそれができないのだ。
なぜだろうか?
彼は死なないからだ。
今ここで生きていて、やがて死んでいく人間の物語を構築するためには、僕らの肉体を血液のようにナラトロジーが流れている必要がある。
これから小説を書く多くの人達は、ChatGPTを有能な秘書として、友人や恋人のような存在として、あるいは鏡として上手に使っていくべきだ。ディランではないが、時代は変わったのだ。
だがその前に、僕は多くの人達に、『物語を作る魔法のルール』を読んでいただきたいと思っている。だから電子書籍化を急いだ。ナラトロジーは、本当に素晴らしいロジックである────続きはオンラインサロンでご覧ください)
山川健一/今井昭彦/葦沢かもめ
『AIとの対話で物語のアイデアが広がる
小説を書く人のAI活用術』(インプレス)
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インプレス https://book.impress.co.jp/books/1124101059