ダーウィンを理解すると小説が豊かになる 04 恋愛小説は尊い! 山川健一

──恋愛小説こそは柔らかな感受性を内側に秘めた尊い存在なのである──

 

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2024年6月28日

特別公開:ダーウィンを理解すると小説が豊かになる 04 恋愛小説は尊い! 山川健一

【科学は時に小説に敵対することもある】

僕は、これまで結構な分量の本を読んできたが、今のところの結論として言えるのは、ダーウィニズムとナラトロジーは普遍的なロジックだということだ。

DNAなんてものが発見される遥か前にダーウィンが考え出した進化論は、今でも基本的には全く古くなっておらず、ダーウィニズムで宇宙の進化を論ずる科学者がいるくらいである。

ミームという概念が進化生物学者のリチャード・ドーキンスによって提唱され、進化論は文化領域までをカバーすることになった。

人が人のまねをして広がっていく様子や拡散される現象そのものには、文化的遺伝子のミームがあるのだとドーキンスは主張したのである。

さて、そのダーウィンによれば、人類はあらゆる生命体の中で、最強にスケベーだということになる。その止まるところを知らない性欲が産業構造に取り込まれ、地球を滅ぼすことにさえなりかねない。

はぁ。

科学者という人種は、身も蓋もないことを言うものである。

科学は多くの場合、小説を書く上で有効なアドバイスをくれるが、時に敵対することもある。

少し前に、東北芸術工科大学の洋画科の先生にこんな質問をされた、という話を書いた。

「美術の世界では、基礎的なレッスンとして裸体画を描くでしょう。なぜだかわかりますか?」

少し考え、僕はこう答えたのだった。

「人間の肉体が、造形を学ぶのに最も適しているからですか」

「もちろんそれもあります。しかし、それ以上に重要なのはエロスを学ぶためですよ。エロスとは生命そのものであり、絵画はそれを礼賛するために発展しました。だから、絵を描く者は裸体のデッサンをするのですよ」

原発事故でそのエロスは大きなダメージを受けた、と彼は言うのである。僕はこれからしばらくは、絵が描けないのではないかと思っています──と。

文学にとっても事情は同じだと思うが、僕らは──続きはオンラインサロンでご覧ください)

 

 

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