基礎コース:「私」という物語を探す旅
作家を目指すための基礎を学び、考え、会得するためのコースです。
Facebook上の会員限定グループにご参加いただき、山川健一が用意した教材で学ぶことができます。東京や各地で開催される実施セミナーや、ほかの参加者との交流会、オフ会などのイベントにもご参加いただけます。
月額:2,480円(税込)
参加人数制限:無し
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基礎コースについて、主宰 山川健一より
小説には一定の構造があり、それを解き明かしたのがナラトロジー(物語論)だ。従来のナラトロジーはさすがに古く実践には向かないので、ぼくがそいつを手直しして現代小説にも適用できるように書き換えた。
自由な表現に見えて、小説も音楽も絵画も一定の構造を持っている。それが理解できないと途方もない遠回りをすることになる。
基礎コースでは、いわばヤマケン版ナラトロジーをベースに物語、小説、映画、ゲームなどの基本構造を学んでいただく。
すべての物語は何かが「欠落」していることを前提に始まり、主人公は嫌々旅立つ。物語とは主人公の少年や少女が大人になる過程を描くもので、子供は皆嫌々大人になるのである。冒頭の「欠落」が大きければ大きいほど物語のスケールは大きくなる。
いくつかのイニシエーションを経て、主人公は妖精的な存在から「隠された父」の存在を知らされることになる。『スターウォーズ』なら、主人公のルークがヨーダに「ダースベイダーがお前の父親だ」と聞かされるようなものだ。
この父を殺すのがドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』であり、父を許すのがトルストイの『初恋』であり、多くの現代文学は自分自身の中に「父」を確立する。
8年間若い人達に小説の書き方をレクチャーする中で、じつは、深い謎に包まれた最大の物語とは「私」なのではないかとぼくは気がついた。
「私」ほど不可解な、しかし重要な存在はないのだ。ナラトロジー(物語論)と呼ばれるロジックが解き明かす最大の謎とは「私」なのだ。
ナラトロジーによって「私」を対象化すること。それが、「私」物語化計画だ。
これが達成できれば、非常に有効なセルフヒーリングになるはずだ。さらに、映画や小説といった作品を立体的に深く理解できるようになる。
物語には人を癒す力があるのだとぼくは思う。何か衝撃的な出来事があった時、人はそれを「物語化」することで理解しようとする。そこに癒しの感覚が生じる。すべての人々にとって、それが作家への第一歩なのだ。
2018年11月16日 山川健一
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